春が来れば思い出す~札幌のミズバショウ
♪夏が来~れば思い出す~ 遙かな尾瀬~遠い空~
東京にいた頃は、わざわざ大渋滞、大混雑を覚悟で尾瀬まで行く気力もなかったし、ましてや、近場で見られるわけもなかったので、水芭蕉なんて、写真でしか見た記憶はありません。
そして、「夏の思い出」の歌詞から、水芭蕉=夏の花という程度の認識しかありませんでした。(※歌詞とメロディはこちら 注:音が出ます)
札幌に住んで数年たった年の4月、なかなか春めいてこないのにイラ立った私は、「何か、花のひとつくらい咲いてないのかよ。バーロー!」と思い、調べてみたところ、どうやら水芭蕉の季節らしいことがわかりました。
「なに~、水芭蕉だぁ?」
「水芭蕉は夏だろ!春にもなってないくせに、ナメとんのか。」と思いましたが、ふと、昨年のことを思い出しました。
一年前の5月、梅林で有名な「平岡公園」へ行った時のこと。
平岡公園には、梅林のエリアとは別に湿原地帯があって木道を散策できるのですが、何か花が咲いていないかと思って行ってみたものの、花らしい花はありませんでした。
しかし、なんだかキャベツのできそこないのような、大きく葉を伸ばした緑の群れがあちこちにあるのが目につきました。
それが何か分からなかったのですが、ある場所に、花の名前を記した札があり、
見てみると、そこには、「ミズバショウ」と書かれていたのでした。
「これが、水芭蕉?」
図鑑などで見る水芭蕉は、小さくて可憐な花というイメージだったので、葉の高さが50センチ以上はあろうかというその「物体」が水芭蕉だとはとても信じられませんでした。
それに、夏の花だと思っていた私は、ようやく春になったかという時期に、すでに咲き終わっている北海道の水芭蕉は、本州のものとは品種が違うのだろうと思ったのでした。
その時のことを思い出し、調べてみると、品種が違うのではなく、4月後半の北海道の気候と尾瀬の雪解け時の気候が同じくらいなのだということがわかりました。
写真は片品村観光協会HPより
尾瀬の雪解けは例年6月くらいで、その時に下界は初夏。だから「♪夏が来~れば」なんですね。雪解けの時期に咲くのですから、北海道の平地で4月というのも納得が行きます。
というわけで、こりゃ水芭蕉を見にいかなくてはと、慌てて調べてみると、札幌近郊には、平岡公園以外にも水芭蕉の見られる所はいくつかあり、どこも車で1時間かからない近さでした。
結局、「平岡公園」の他にも、「西岡公園」「星置緑地」「マクンベツ湿原」と、全部で4ヶ所も見てしまいましたが、どこも、ある程度の規模があり、素晴らしいものでした。
最初に行った西岡公園が、私のミズバショウ初遭遇の地となったのですが、
木道脇にビッシリと咲いているミズバショウの姿を見た時は、思わず、「おぉ!すげぇ!」と声を出してしまったのを覚えています。
もっとさりげなく咲いているのかと思っていたので、その、お替わり自由、食べ放題的な大盤振る舞いの咲き方に「さすがは北海道だワイ!」と、大感激しました。
次の星置緑地は、街中にひっそりとある公園で、
こんな街中でミズバショウが見られることに驚きました。
「う~ん。素晴らしい!!」
平岡公園では、あの日、ミズバショウとはとても思えなかった物体が、ちゃんとミズバショウしていることを確認しましたが、何だかとても不思議な気分でした。
平岡公園は、梅林が有名ですが、看板にはちゃんとミズバショウもあり、一応、二枚看板なんですね。
そして、石狩市のマクンベツ湿原ですが、初めて行った時はまだ木道がなく、規模的には一番大きいのに、あまり近くでミズバショウを見ることが出来なかったのですが、
現在では、湿原の中を木道が渡され、
ミズバショウがすぐ近くで見られるようになりました。
この木道は石狩川まで続いていて、まあ、特にどうということもないのですが、行けば必ず最後まで歩いてしまいます。
このように、水芭蕉は、東京では「遥かな尾瀬」まで行かないと見られないけれど、北海道に住んでいれば、見ようと思えば簡単に見ることのできる身近な花だったのです。
こうしてそれからは毎年4月になるとミズバショウのことが気になるようになり、開花状況を電話やネットで確認しては、春を探しにミズバショウを追って札幌をウロウロすることになり、ミズバショウに詳しくなっていきました。
それにしても、ミズバショウって成長が早いですね。
最初の頃はイメージ通りの小さくて可憐な花ですが、
ちょっと油断した隙に、すぐに30センチくらいになり、花が終わっても葉だけはぐんぐん成長し、やがては、1メートル近くにもなってしまいます。
かわいい乙女が成長し、やがて堂々たるオバちゃんになるようで、花の命は短くて…という感じです。
さて、昨年の4月、マクンベツ湿原に行った時、STVラジオの中継準備でスタンバイしていたスタッフの方とミズバショウの話をしていたところ、「この後の生中継でインタビューさせてもらえませんか?」と言われました。
そういうのは苦手なのでお断りしたのですが、それでは、中継の中で紹介しても良いですかということになり、その時私が把握していた札幌各地のミズバショウの開花情報と共に、「ミズバショウは成長が早いので、できれば少し早めに行く方が、イメージ通りの小さくて可憐な花に出会えると思います。」的なコメントがラジオで流されたと思います。
「札幌市東区から来られた男性の方にお話を伺ったのですが…」という紹介だったと思いますが、今思えば、ラジオネーム北旅さんとでも言ってもらえば、「北旅の野郎、札幌に住むまでミズバショウなんて見たことなかったくせに、偉そうに語ってやがる。」と、誰かが気がついてくれたかも…。
今年は気温が低いので、札幌ではGWが見頃だったのではないかと思いますが、私は東京なので、ミズバショウを見ることなんて夢のまた夢。
そう、これからは、
♪春が来れば 思い出す
はるかな蝦夷 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小径
水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
まなこつぶれば なつかしい
はるかな蝦夷 遠い空
なんですね。
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☆西岡公園の春~水芭蕉が満開です!
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☆西岡公園の春~水芭蕉もスタンバイ
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(2010年05月初旬のある日)
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この記事へのコメント
まだ少し早いかなと思いましたが、
4/19にマクンベツ湿原へ行ってきました。
すでにチラチラと咲いていたのですが、
その頃は非常に寒い日が続いておりましたので、
葉先や花弁の先が黒ずんでいました。
昨日、車の中でラジオを聴きながら走っていると、
ランラン号のお姉さんが、
「今まさしくマクンベツのミズバショウが見頃ですョ~」と、言っておりました♪
GWの前日までは、あんなに寒かったので、
どのお花も開花が随分と遅れています。
最近になり、エゾムラサキツツジがチラホラと、
咲き始めています♪
食べ放題に例える って
北旅さん
お腹空き過ぎなんぢゃないスか(笑)
なに!? ランラン号?!
と思ったら、自分でアップした写真の車に、RUN RUN GOって書いてありました。
AMラジオはほとんど聴かなかったけど、もしかして札幌市民の常識?
それにしても、今年のその放送を聴いているということは、あの日、名前を出していたら、みぃさんが聴いてた可能性もやっぱりあったかも。
今年のミズバショウはGWかなと思っていたところ、みぃさんの記事を見て、とても懐かしくてこの記事を書いてしまいました。
みぃさんの記事にあったキクザキイチゲの青花ですが、星置緑地にも白青揃っています。星置緑地に咲く草花の説明板に書いてあったのですが、珍しい花だったのですね。
JRの線路側からの入口付近に毎年咲いていましたが、意識して探したわけではないのですが、マクロが使えるような木道の近くでは見かけませんでした。でも、ちょっと遠目でも、みぃさんの望遠なら楽勝だと思います。
さすがですね。そこに食いつきましたか。
私は花を見るのは好きですが、高山植物みたいに、一輪一輪、図鑑片手に探して見るというのは苦手なのです。
そういうのって、ちまちま少しずつしか出てこない懐石料理みたいですが、私はそれよりも、出し惜しみなしの食べ放題のごとく、一面に咲くチューリップとか、ひまわりとか、ラベンダーとか、そういうのを見るのが好きなのです。
食べ放題や大盛が好きなのと、感覚的には一緒なんでね。食べ放題以外、例え様がないのです。
で、そういう咲き方がピッタリくる土地が北海道!
水芭蕉が咲くにせよ、少ししか咲いてないんじゃないかと思っていたので、ハデな群生を見て大感激でした。